ウサギ追いしかの山
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私がまだ小学生だった頃、野ウサギを追って学校の裏山を登ったことがある。
ヤツはもの凄いスピードで走るので、あっという間に姿を見失ったものの、すぐにまた他の個体を見つけ、見失い、見つけ…そんなことを繰り返していた(今思うと生命豊かな山だった。今では殆ど彼らを見かけなくなってしまった)。
当時何かのテレビ番組で、野ウサギを美味そうに食らう山賊の姿(多分アニメか何かだったと思う)を見たことがあり、私はどうしてもヤツを食ってみたいと思っていた。
山をガサりながら歩くこと数十分、突然目の前の視界が開けた。すると眼下にはこれまで見たこともないような大きな道路が走っている。大きなトラックが慌ただしく行き交い、その脇では屈強そうな男達が作業を行っていた。
「侵略軍や!!」
心の中で私は叫んだ。
恐らく、侵略の準備は既にほとんど整っていて、この道路が完成したらすぐにでも装甲車やら戦車やらがここから攻めてくるはずだ。そして、私がこの現場を見たことが奴らにバレてしまったら…殺される!
その日の晩は一睡もできなかった。
現在私は、その侵略軍の基地のど真ん中に住んでいる。
いつ侵略が始まるのか?どこを侵略するのか?自治会側からその説明はまだない。

最終更新日:2017-02-03 08:44
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